こんにちは。中大規模木造に特化した構造設計事務所木構造デザインの福田です。
幼稚園は、建築基準法上「学校」に分類され、法27条による特殊建築物にあたります。
幼稚園を計画する際に注意することは、建築基準法以外にも学校教育法の幼稚園設置基準を満たす必要があります。
その他に、何に注意しなければいけないのか詳しく見ていきましょう。
木造の幼稚園で必要となる防火性能は、建築基準法における防・耐火性能に関する規定よりも厳しい規定です。
基本的に園舎は2階建て以下を原則としています。
保育室、遊戯室および園児の便所は原則として1階に設けなければなりません。
ただし耐火建築物とすれば2階に設けることができます。
下記の表で階数別、高さ別、規模別に耐火上の要件をまとめます。
幼稚園は、特殊建築物の内装制限および建物の規模による内装制限の対象外です。
ただし、火気使用室、地階や無窓居室および、その避難経路は内装制限を受けます。
したがって、火気使用室、地階や無窓居室及びその避難経路でなければ、内装で木材を現しで使用できます。
幼稚園は立地制限があり、都市計画用途地域のうち工業地域、工業専門地域に建てることができません。
木造の幼稚園に必須な幼稚園設置基準には下記のような規定があります。
<人数>
1学級原則35人以下とする
<園舎の必要な面積>
1学級180㎡2学級320+100×(学級数-2)㎡
<運動場の必要な面積>
・2学級以下330+30×(学級数-1)㎡
・3学級以上400+80×(学級数-3)㎡
幼保連携施設や特定幼保連携幼稚園については、認定子ども園の認定を受けるため、都道府県の条例で定める認定の基準を満たす必要があります。
このため、施設が満たさなければならない建築基準法上の要件については、個別に書簡の特定行政庁に確認しなければなりません。
木造で施設を計画する際には、建築基準法に加え、関連する条例等を遵守することが求められます。
法律や条例等は常に改正されていきますし、その解釈や運用については該当の行政窓口や指定検査確認機関等により異なりますので、本コラムの内容は「記事掲載時の一般的な考え方」であることのご理解、ご了承をお願いします。
建築実務者の皆様においては、常に最新の法規等の情報をチェックしつつ、該当の行政窓口や指定検査確認機関等によく内容を確認してから設計や施工を進めていただくようお願い申し上げます。
木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
福田 浩史
1999年三重大学大学院工学研究科・建築学専攻・修士課程修了、同年4月に熊谷組入社、構造設計部に配属。主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造の高層マンション、店舗設計など大型建築物の構造設計を担当する。2002年6月エヌ・シー・エヌに移籍し、2020年6月取締役執行役員特建事業部長に就任。年間400棟以上の大規模木造の相談実績を持つ。2020年2月木構造デザインの代表取締役に就任。