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木構造研究室

店舗を木造で計画する時の関連法規

店舗を木造で計画する企業が増えています

SDGsの取り組みの一環として、店舗等で木材を取り入れる動きが広がっています。

木材は、炭素の貯蔵効果があります。
樹木が大気中から吸収した炭素は伐採され、建築資材になった後も
木に残り続けるため炭素を固定化する効果があります。

そのため、炭素が固定化された木材を使った建築物を増やすことができれば
効率的に炭素を削減することができます。

木造建築は「第二の森林」とも呼ばれています。

店舗や商業施設などの規模の大きい建築物を木造にすることによって
「伐る→植える→育てる」という森林の循環サイクルを活性化させることができ、
二酸化炭素の削減に貢献できます。

また、木造は、鉄骨造やRC造に比べて、資材調達から生産までの
総合的なエネルギー消費量が1/2から1/3程度に抑えることができるため、
環境負担の軽減につながります。

木造化に取り組む企業が多い理由は、このためです。

それでは、店舗を木造化する時に気を付けるポイントを見ていきたいと思います。


目次

1.店舗は特殊建築物
2.木造の店舗における内装制限
3.木造の店舗の計画で建築基準法以外に注意すべき規定
4.木造の店舗の計画で考えておくべき減価償却
まとめ

店舗は特殊建築物

店舗は、法27条による特殊建築物です。
3階建てで延べ面積200㎡未満の場合を除き、3階以上の部分を店舗とする場合は
耐火建築物または避難時・火災時倒壊防止建築物とする必要があります。

高さ16mを超える場合で2階建て以下の場合は、
耐火建築物または避難時・火災時倒壊防止建築物に代えて
特定準耐火建築物とすることが可能です。

高さ16m以下で2階の店舗用途部分の床面積の合計が500㎡以上の場合は
耐火建築物または避難時・火災時倒壊防止建物、準耐火建築物とする必要があります。

3階以上を店舗の用途に使用せず、かつ2階部分の店舗の用途に使用する床面積を500㎡未満、
高さ16m以下にすれば、その他の建築物で建設できます。

下記の表で、階数別、高さ別、規模別に耐火上の要件をまとめます。

<備考>

  • 床面積が10m2以内のものを除きます。(令115条の3  3号)
  • 防火地域・準防火地域に建てる場合は、別の規定があります。
  • 複合用途の建築物とする場合は、上表だけとは限りません。
  • 建築基準法やその他基準の改正により、内容が変更することがあります。

木造の店舗における内装制限

防・耐火上の構造や規模、室の用途により、
内装に準不燃材料、難燃材料等の使用が必要になるなどの制限がかかります。

内装制限適用の規模に達しないものであれば、内装を木材の現しにすることができます。
また、適用規模に関わらず、天井面を準不燃材料で仕上げれば、
その他の内装は全部木材仕上げとすることも可能です(平12建告1439号)

その他、火気使用室、地階や無窓居室及びその避難経路は内装制限を受けます。

・建築基準法やその他基準の改正により、内容が変更することがあります。


木造の店舗の計画で建築基準法以外に注意すべき規定

店舗の計画で建築基準法以外に注意すべき規定があります。

<食品衛生法>

食品衛生法(51条)に基づく食品営業施設等の基準があり、
各地方自治体の条例で定められています。
保育所窓口において事前に相談する必要があります。

<消防法(消防庁管轄) 特定防火対象物(消令別表第1(二)~(四))>

消防法による設備の設置については、物販店舗つまり単に物を売る店舗と、
飲食店・カラオケ店・パチンコ店等その他の店舗では扱いが違ってきます。
設備の中でも特に、屋内消火栓設備と屋外消火栓設備、
スプリンクラー設備の設置は費用がかかり採算性に大きく影響します。

木造の店舗の計画で考えておくべき減価償却

木造はRC造等と比較し、減価償却に規定されている耐用年数が
短く設定されています。

企業としての保有資産と税との関係を考えると、
そのことが企業にとって有利に働きます。

例えば、土地を定期借地権で借りた場合、その契約年数に近い
耐用年数が設定された構造で建てると、土地を返却する際に、
資産価値を残さずもしくは資産価値の少ない状態で取り壊すことが可能です。
このことは、店舗建設において木造が好まれる一要因となっています。

まとめ

木造で施設を計画する際には、建築基準法に加え、
関連する条例等を遵守することが求められます。

法律や条例等は常に改正されていきますし、その解釈や運用については
該当の行政窓口や指定検査確認機関等により異なりますので、
本コラムの内容は「記事掲載時の一般的な考え方」であることの
ご理解、ご了承をお願いします。

建築実務者の皆様においては、常に最新の法規等の情報を
チェックしつつ、該当の行政窓口や指定検査確認機関等に
よく内容を確認してから設計や施工を進めていただくようお願い申し上げます。

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